「自分の性別がわからない」
「そもそも自分には性別がない気がする…」
「男性か女性にどちらかにならないといけない?」
「これは病気なの?」
性別に対する違和感や嫌悪感があっても「性同一性障害(性別違和)」ではない、男性でも女性でもないような感覚。そんな人もいると思います。
FTM(男から女)やMTF(女から男)と間違われがちだし、どちらかに決めないといけないような強迫概念がある。
「周りの目なんて気にしなくてもいいよ」なんて言われたりもしますが、実際にはどちらかに決めて、服装を着て行動をしないと周りからおかしな目で見られてしまうのもまだ現実にはあります。
どちらか一方の性別で生きていきたいかなんてわからないから、人生設計も何をしていけばいいのかもわからなくてつらい思いをする。
今回はそんな悩みを抱えた「性別がない人」について書いていこうと思います。
私はFTMで性自認が男性ですが、性別がない人についても知りたいと思い、調べました。
実際に性別について悩んでいる人も、私のように知りたい思いがある人にもこの記事が参考になれば嬉しいです。
この記事の目次
男でも女でもない!性別がない人って?
インターセックスとxジェンダー、クエスチョニングの違い
性別がどちらかわからないという人にインターセックスなのか?と思う人もいるかと思いますが、実は、インターセックスと性自認は関係がなく、「自分が男性か女性かわからない」という状態なわけではありません。
・自分がどちらの性別かわからない
・男性でも女性でもない
・性別を決めない
といった人は「xジェンダー」または「クエスチョニング」と言います。
インターセックス(両性具有)
インターセックスは医療用語で性分化疾患とも言われており、遺伝子学的・解剖学的に男性とも女性とも定まらない状態のことです。
どういうことかというと、見た目は女性で胸などがあっても、体内には子宮などがなく精巣があるといったことです。医学的な分類でいうと、60以上の種類があるそうなので、同じインターセックスといっても症状が一緒というわけではないです。
新生児の割合でいうと、2000人に1人なので、極端に少ない数字でもないですよね。
性自認がどちらかわからない、といったものではなく、心が女性なら女性として、男性なら男性として生きていきます。
注意が必要なのは、インターセックスは絶対にどちらかの性になりたい!と思っているわけではないということ。
逆に言えば、インターセックスだからといって絶対に性別について悩むということもないということです。
インターセックス≠性別について悩む
ではないってことですね。
xジェンダー
「自分がどちらなのかわからない」
「男でも女でもない感覚」
上記に該当する人はxジェンダーかもしれません。
- 中性:男性と女性の間
- 無性:男性でも女性でもない
- 両性:男性でもあり女性でもある
- 不定性:その日によって、男性であったり女性であったりする
クエスチョニング
性自認は男性であるか、女性であるか、どちらでもないのか、といったようなことを決めないでいる人のことをいいます。または悩んでいる人のことです。
xジェンダーとよく似ているので、一緒になっている場合もあるし、そもそもそんなに分けなくてもいいのかもしれませんね。
インターセックスでxジェンダーの場合もある
インターセックスが発覚してから、治療のフェーズに入る前に「男性になるのか?女性になるのか?」といった選択を迫られるそうですが、中には「どちらでもない性」の人もいます。つまりはxジェンダーですね。
どちらでもない性がまだ認められていないため、そのときにどちらかの性を選んだとしても後に悩んだりすることもあるそうです。
インターセックスは身体に両性の特徴を持っているため、ホルモンの関係で身体に負担がかかりやすいのでどうしても治療をしていかないといけないのですが、どちらかの性別ではない人にとっては苦しい選択かもしれません。
もし、性別はたくさんあって、どんな性表現をしようとそれが当たり前な世の中なら、こんな風に悩む人はいないのにな、と思いますね。
性別がない人の特徴と苦悩
- したい性表現がない場合、服装に困る
- 性別記入欄にどちらもつけたくない
- 男性として扱われるのも女性として扱われるのも苦痛
- 男なの?女なの?と聞かれるのがつらい
- 性表現は男性(女性)だけど、性別はどちらでもない
xジェンダーの当事者からすれば、まだまだあるよって感じかもしれませんが、ざっくりこういう悩みが多かったと思います。男らしくも女らしくもあまりしっくりこないような感覚なんですね。
人によっては
という人もいますが、それは個々の価値観なので否定するのも少し違うかなと思います。
たとえ、周りにそういう批判的な人が多くても、自分は自分の気持ちを大切にするべきです。わざわざその人達の意見に合わせる必要もないと思います。
私は男と女の概念があるなら、どちらでもないといった概念もあるのだと考えています。
性別がどちらかに決められないといった悩みがある人は、これからどういった風に生きていけばいいのか、これからの目標がわからないという人は多いかと思いますが、別に子供を作ること、結婚することだけが人生ではないので、自分の価値観を大切に生きれたらそれが一番いいのだと思います。
とはいえ、xジェンダーなのか悩んでいる人が完璧主義で白黒はっきりさせたいと思うタイプの人なら余計に生きづらくてつらい思いをされているかもしれませんね。
なんでもそうだと思いますが、「~でないといけない」にこだわりすぎると、自分に対する攻撃が止まらなくなって、全然心が楽にならなくなってしまいます。
これは一つの提案ですが、性別がどちらかわからないということで悩んでいるなら、「~でないといけない」という考えは捨ててみてはいかがでしょうか。
案外、心の中から「~でないといけない」がなくなった瞬間から道が開けて、心が楽になるかもしれません。
最後に
「性別がない人」は思っているよりもずっと微妙な立場で苦しんでいると思います。
一時的な勘違いだと思われるかもしれないし、他人からどう接したらいいかわからないといった風に言われることもあるかもしれません。
男、女よりも「人」という見方が先に来てくれれば、接し方がわからないなんてことにはならないのかもしれません。
xジェンダーだけではなく、もっといろんな人が生きやすい世の中になっていけばいいのになぁと切に願います。