「大人になって、初めて自分は性同一性障害なのかと悩むようになった。」
「性同一性障害が先天性しかないなら、この性別の違和感はなに?」
「後天性がありえないなら、この違和感はいつかなくなるのだろうか、、、」
「子供が最近性同一性障害かも、と言い出した。前はそんな風でもなかったのに、後天性はありえるの?」
自分の性別についてあまり深く考えてこなかった。
後天性がないなら、この違和感が何かわからない。
身近な人が性同一性障害だと言っているが、
後天性はありえるの?
と、「性同一性障害は後天性があるのか?」について
悩んだり、知りたい人はたくさんいると思います。
なので今日は
「性同一性障害は後天性もありえるのか?」
について書いていきたいと思います。
あなたは
「性同一性障害が先天性だけ?後天性もありえるのか?」
これを知ることで、
性同一性障害だろうがなかろうが、
あなた自身の選択できる道が増えて
前向きに生きていくことができます。
もちろん、
性同一性障害だと診断するのは
自分ではなく、医師です。
ただ、性別への違和感や嫌悪感を
「性同一性障害は後天性はありえない」と
思い込みすぎると、
本当の自分の心を無視しかねません。
そうならないためにも、
この記事を読んでいただき、
少しでも参考になれば嬉しいです。
この記事の目次
性同一性障害は先天性?後天性もありえる?
そもそも性同一性障害の原因は?
性同一性障害の原因については
未だにわからないことが多いそうですが、
有力な原因は以下になるそうです。
性同一性障害では、原因と断定できるものはありません。
しかし、胎児期の脳の発達が影響しているという説があります。
肉体的な性別とジェンダー・アイデンティティー(自分で自覚している性別のこと)
の決定には、胎児期におけるホルモン環境(特にアンドロゲン)が深く関わっています。胎児期に、ジェンダー・アイデンティティーと
関わることが疑われる脳の一部の部位が適切に発達しなかった場合に、
肉体的な性別とは異なるジェンダー・アイデンティティーが
生じるのではないかと考えられています。
難しくてよくわからないですが(笑)
つまりは
母親のお腹の中で性別に関わる部分が発達するときに
身体的な性別とは反対になるような出来事が起きたということですね。
自分の子供がそうなったのか…
と、不安になっている人もいるかもしれませんが、
育った環境は関係ないと言われていますので
そこはあまりご自分を責めずに、ご安心ください。
性同一性障害は後天性もありえる?
先天性とは、生まれつき備わっていること。
後天性とは、生まれた後で身に付いたもの。
性同一性障害の原因が明確になっていないので、
先天性だけか、後天性もありえるのかを
勝手に決めることはできませんが、
基本的には先天性だと言われていますよね。
現在では、
まだ原因もはっきりしていないため、
診断方法もカウンセリングになります。
もし、遺伝情報などを読み取ることができて、
原因や発症がはっきりするなら、
先天性だとしても「後天性なのか?」と
悩む必要もないのですが、
それはまだできません。
そもそも後天性があるのかどうかは
「先天性だけど、後天性だと思っている当事者」
または「一時的な性別の違和感をもつ人」
が悩むのだと思いますが、
遺伝的な検査方法、診断はできない以上、
先天性か後天性かは今の段階では判断できないので、
悩んでも答えが出ないのです。
つまり、先天性なのか後天性なのかを突き止めるより、
大切なのはあなたが一番どうすれば生きやすいかを考えるべきです。
ここまで引っ張っておいて申し訳ないのですが、
性同一性障害の原因もはっきりしていないので、
先天性も後天性も気にしてもしょうがない
ということをお伝えしたかったです。
まだまだ性同一性障害についての研究は新しい分野になるので、
わからないことも多いのです。
最初でもお伝えしましたように、
「後天性はありえない」
と思い込みすぎると、
本当の気持ちを封じ込めてしまう恐れがあります。
また、
「性同一性障害は先天性だから、
幼少期から自分は身体とは逆の性だと
確信しているのが当たり前だ」
と言う人もいるのですが、
私は人によって自覚するタイミングは全然違うと思います。
小さい頃から強く思っている人もいれば、
思春期頃からおかしいと思う人もいます。
人によってはもっと大人になってからの人もいます。
その中には自分がそうだと気づくほど
余裕がない家庭環境の中で育った人もいるでしょう。
その結果、自分はそうだと気付くのに時間がかかります。
それに身体に対する違和感や嫌悪感の強さもそれぞれです。
それはやっぱり各々の性格もあるので、
仕方のないことだと思います。
また、周りにはどうしても言えず、
ずっとずっと苦しんで、
結局、30才過ぎてから治療を始める人もいるし、
結婚してしばらくしてから治療する人もいます。
本人からすれば心の奥に封印していたものが
耐え切れずに出てきてしまうので、
周りからすれば、「どうしていきなり?」と思うことでしょう。
それを後天性があるのかどうか?を
悩んだとしても答えは見つからないので、
今後、本人がどうすれば生きやすいかを
真剣に考えたほうがいいと思います。
一時的な性別の嫌悪感を感じているだけ?
と思われる方は良かったらコチラをお読みください。
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【実体験】実際に後天性だと思っていたケース
ここまで後天性について書くのは
私自身がそこそこ認めるのが遅かったからです。
ちなみに私は幼少期の頃から
自分は男だと思っていたけど、
俺って言うとひどく怒られた記憶があり、
それからは中学から高校くらいまでは、
男とか女とか考えないように生きていました。
(生理は衝撃でしたが)
女性が恋愛対象なのですが、
自分は同性愛者なのかと思っていて、
身体に対しての多少の嫌悪感はあるけど、
考えないようにしていたらなんとか過ごせていました。
もちろん、誰かに見られるとかは絶対に嫌でしたし、
思い返せば、プールもすごく嫌で休んでたりもしました。
でも、それが性同一性障害だから、といった意識は、正直なかったです。
要はあんまり考えていなかったんですね。
性同一性障害のことを知ったのは、
高校の頃でしたが、そうかもしれないと思いつつ、
そうだとしたら、、と考えると怖くなり、
正直自分に対して向き合っていませんでした。
大学に入ってから、
女性だけど男性として堂々と過ごしている人を見て、
最初は劣等感からその人を否定しようとしていました。
自分は勇気を出してそこにはなかなかいけないのに、
当然のようにそれが出来ているのを見ると、
自分が情けない気持ちになりました。
隠すために好きでもない人を好きと言ってみたり、
女性らしく生きなければと、
やってきたことが全て無駄なように感じました。
当時の私はかなり臆病な性格をしていたので、
なるべく「世の中の普通」に沿っていたかったんですね。
もし男として生きていくなら
相当なリスクを負わないといけないと思い込んで、
なかなか前に進めなかったです。
しかし、大学生のときに
このまま女性として生きていくことに限界を感じたので、
治療をしていく選択をしました。
自分が思っているよりも、
自分が男性として生きることを
望んでいたのだと実感しました。
なんだか一気に解放された気分でした。
私のように、性同一性障害の存在は知っていながら、
自分と向き合うことから逃げて、
結果的に気付くのが遅かったというパターンもあります。
このパターンは人から言わせてみれば
ある意味、後天性なのかもしれません。
実際、私も後天性ってあるのかな?と思っていました。
世の中のいう普通というものに沿いながら生きる方が
楽だという考えがあるなら、余計にそうなるかもしれません。
普通は時として大事なこともありますが、
あまりに浸透しすぎると、かえって自分自身を潰しかねません。
たとえ少しでも、
自分の性別や身体で生きにくいと感じるなら、
ちょっとだけ立ち止まってみて、
いろんな想像をしてみてください。
「もし別の性で生きるれるなら」
「自分らしく生きるならどうなるのか」
何度も言うようですが、
あなたらしく生きることが一番大切です。
最後に
医学的に後天性があるかどうかは
現時点では、わかりません。
わからないことは仕方がないです。
(ここまで広げて申し訳ないですが…)
しかし、現実には、
なかなか自分自身を見るきっかけがなく、
気づくのが遅れてしまうケースもあります。
なので、
性別の違和感・嫌悪感に対して、
「後天性はありえないから」
と目を背けるのではなく、
どうすれば一番自分にとっていいのかを
勇気を出して考えてみてください。
もちろん無理はしなくても大丈夫です。
また、身近な人に
突然性同一性障害について相談されても、
「後天性ってありえるの?」と
思うのではなく、
今悩んでいることをどう解決するのかを
話し合ってあげてください。
少なくとも、
そうしてもらえて、私は助かりました。
とはいえ、
勘違いで性同一性障害の治療を
始めてしまう人もいるので、
そこは気をつけてください。
本当に人間の心は複雑です。
あなたが本当の望む生活が出来て、
幸せになることを願っています。
また、この記事を読んで、
少しでも前向きになっていただけたら嬉しいです。
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