「ホルモン注射で情緒不安定になる?」
「怒りっぽくなるの?」
「最近、情緒不安定なのはホルモンのせい?」
ホルモン注射をしたら、
ホルモンバランスが崩れて
情緒が不安定になったり、
性格が変わってしまうのか?
というように
これからホルモン投与する人や
すでにホルモン投与していて、
それが原因で情緒不安定なのか?
と、心配になる人もいるかと思います。
ちなみに私自身はというと、
ホルモン注射が原因で
情緒が不安定になったりとか
そんなことはなかったと思います。
むしろ、注射を打って、
男性に近づいたことが嬉しくて、
性格は明るくなりました。
ホルモン注射を打ったことで
情緒不安定になったりするのは
人によるものなのか?
情緒不安定に対する対策はないか?
私自身が気になったので
調べてみようかと思いました。
今回は
ホルモン注射と情緒不安定について書いていきます。
この記事の目次
ホルモン注射が原因で情緒不安定になる?
ホルモン投与の影響をみる研究では…
性同一性障害の研究はまだ少ないですが、
男性ホルモン注射が身体と心理面にどう作用するか?
の研究はされていました。
<比較する対象者>
・ホルモン未投与37名
・ホルモン投与38名
心理面で、
ホルモン未投与とホルモン投与では
どちらの方が精神的に比較的健康に過ごすのか、
気分(緊張・抑うつ・活気・疲労・混乱)、怒りなど
どの程度違うのか?
というような研究です。
参考文献
「Female-to-Male トランスジェンダー/トランスセクシュアルにおける男性ホルモン投与の影響」
ホルモン投与は心理面が安定する?
研究結果は
ホルモン未投与のほうが、
気分の落ち込みがある
という結果になったそうです。
ホルモン投与をすると
ホルモンの影響で攻撃性が上がる
と言われていますが、
この研究では、
攻撃性が未投与の方が高いです。
それについては
この研究の考察でこう述べられていました。
攻撃性・怒りに関しては、これまでに、FTM の男性ホルモン投与が攻撃性・怒りの尺度の値の上昇と関連すること、ストレス環境下での攻撃性がホルモン療法中の FTM は統制群の男女やホルモン療法中の MTF よりも高いことが示されている。FTM 以外のヒトでもテストステロンと攻撃性に関連があることは示されており、これを元に考えると、体内の男性ホルモン値がより低いと考えられる未投与群において、短気、敵意、全攻撃性といった攻撃性の指標が投与群より高値を示した事は、前述の結果と一見矛盾するようにみえる。しかし、投与前と投与後 3 か月を比較して怒り尺度に差がないことを明らかにした田中らは、その理由として前述のテストステロンの抑うつ改善などの情動を安定させる効果を挙げている
つまり、
男性ホルモン(テストステロン)は
攻撃性に関連はあるものの、
テストステロンには
抑うつ改善などの情動を安定させることが期待されるため、
短気・敵意などの攻撃性の指標が低くなった
ということですね。
なので、
男性ホルモン(テストステロン)には
抑うつ改善や情動を安定させることが期待されるから、
一概にはホルモンの影響だけが
情緒不安定の原因とはいえなそうですね。
とはいえ、
絶対にホルモン注射してから
明らかに情緒が不安定になった
という人は必ず医師に相談してくださいね。
情緒不安定になる原因はセロトニンの不足?
情緒不安定になる一因となるのは
「セロトニンの不足」です。
セロトニンが不足すると、
・慢性的なストレス
・イライラ感
・向上心の低下
・仕事への意欲低下
・協調性の欠如
・うつ病
・不眠
上記のような症状になることが
考えられています。
セロトニンを増やすことは
やる気や幸福感につながることから、
最近では「幸せホルモン」とも言われています。
セロトニンを増やす方法
1日光を浴びる
日光を1日15~30分くらいは浴びる。
日光を浴びるタイミングは起床時から30分以内が推奨されています。
起きてからカーテンを開けて、日光を浴びる。
これが理想ですね。
出かける15分前くらいまで寝てますが
逆にちょうど良いのかもしれません。
2適度な運動をする
運動は脳内とセロトニンを活性化するそうです。
一番いい運動は「有酸素運動」です。
ランニング、水泳、サイクリングなどですね。
通勤はなるべく自転車で行ってます。
3しっかり睡眠をとる
セロトニンは
主に消化管(腸など)に存在していて、
腸は「第2の脳」とも言われるほど
精神状態と大きく関係しています。
腸を活性化させるには
副交感神経を優位にする必要があるのですが、
そのためには睡眠をしっかりとらなければなりません。
睡眠をしっかりとることが
セロトニンの分泌を促します。
気づいたら7時間は寝てます。
以上のように、
日常生活の改善をして、
セロトニンの分泌を促すだけでも
情緒不安定を乗り越えられるかもしれないので、
是非、取り組んでみてください。
情緒不安定になるのはホルモン注射をきっかけに悩みが変わったから?
これは私が経験したことですが、
それなりに他のFTMの人も感じたことあるのではないかな?
と思います。
ホルモン注射をする前は
早く男らしくなりたい、
もっと男性に見られたい、
身体を変化させていきたい、
恋人に対して男よりも男らしくしたい、
など、目標も明確で、
そのときはホルモン注射をすれば
声も変わるし、筋肉もつくし、
男性の身体にもっと近づけると思い、
何となく全て解決するような感覚になります。
しかし、
ホルモン注射を受けてから男らしくなったものの、
まだまだつらいことは多く、、、
やっと見た目も男らしくなったのに、
男社会に順応できるか不安。
いつかバレるんじゃないかと
いつも不安になっている。
外見は変わってはいるけど、
結局もっと筋トレとかの努力が必要。
結局、男性よりも努力しないと
何も報われないのでは?
パートナーと子供もできないし、
なんで生まれてきたんだろう?
という気分になることがあります。
確かにホルモン注射をして、
気持ちが楽にはなりますが、
悩む内容が変わるので、
それに上手く対応できないと
情緒不安定になるのかと思います。
私は周りに恵まれていたこともあって、
あまり情緒不安定になったりはしませんでしたが、
周りに完全には理解を得れていなかったり、
少し気を使うような環境にいたりしたら、
情緒不安定になるのもおかしくありません。
情緒不安定から抜け出すには?
突然に悲しくなったり、
ものすごく不安に駆られたり、
なぜか少しの言動でイライラしたり、、、
付き合っていかないといけない?
どんな情緒不安定でも、
必ず抜け出す方法はあります。
生活環境に心当たりがある場合は、
生活リズムなどを整えて
セロトニンを出すようにしてください。
ホルモン注射をきっかけに
悩む内容が変わったと心当たりがある人は
自分で自分を傷つけることをやめましょう。
・いつも誰かと比べていないか?
・自分なんて、と思っていないか?
・心の中で誰かの批判をしていないか?
心の中で少しでも
これに似た思いを巡らせているなら、
すぐにでもやめたほうがいいです。
自分を卑下するような思考を意図的に止め、
別のことを考えるようにすると、
ずっと気持ちは楽になります。
また、自分に劣等感を強く感じる人は
こちらの記事も参考にしてみてください。
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最後に
今回、私の独自の調べでは、
必ずしも男性ホルモンによって
情緒不安定になるとはいえないのかな、
と思いました。
情緒不安定は
心のSOSサインともいえるので、
まず自分自身の心を見つめることが
大切だと思います。
正直、トランスジェンダーというだけで
変な目で見られたりするときもあります。
通常は戸籍変更前から
だんだんと見た目が男性らしくなっていきますが、
戸籍上の記載が女性で見た目が男性だと、
身分証明書なのに
なぜか身分を証明できないときがあります。
あれには困りました。
わざと性別欄を隠しながら見せたりしましたが、
ただただストレスですよね。
自分はまったく悪くないのに、、、
という思いも散々してきます。
あなたも相当悲しい思いをしてきていると思います。
そりゃあ、情緒も不安定になります。
まあ、無理せずにゆっくりと
自分のペースで生きていくことが
結局はいいと思うので、
焦らずに自分を責めずにいてください。
今回の記事が参考になれば幸いです。
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